生誕100年 山下清展ー百年目の大回想
山下清のとんでもなく写実的な部分と全く写実的ではない部分の違いがどこから来るのか全然分からなかった。建物や自然物はまるで写真を写したようで人物や車は急に記号的になったりして詳細を放棄する。と思えば阿波踊りはまるで写真をなぞったかのような躍動感を持っていて、他にも
同じ年代の作品なのに完璧な消失点を持っている作品とそうでない作品があったり、また「アカデミックな美術知識に無頓着だった」という説明があった割に、初期から静物画を書いたり、ゴッホの画集を大事にしていたり、特に静物画に関しては先生に何度もやり直し捺せられたという話があったり、 全然アウトサイダーという感じではないというか、天性のものだけではなく美術に関してちゃんとした教育、特に西洋美術の教育を受けていたのではないかと思ってしまった。卓越した記憶能力を復元することは写真を撮ってそれを模写することと何が違うのかというのが結構疑問になった。 その上で、エッフェル塔は下と上でゆっくりとパースが変わっていくので面白かったし素晴らしかった。逆にタワーブリッジなんかは写真過ぎて難しかった。例えば写真に一回収めたものを記憶してしまうことなどがないのだろうかという疑念をオリンピックの絵などで感じた。
(軽く探したところ同じ画角はないので山下清がすごすぎるという話でしかないのかもしれないが、あまりにも画角がレンズを通しての画角に見えてしまう……東海道五十三次に感動して見に行ったのに……どうしよう) かなり話題がそれるがgnckさんにふぁぼられて嬉しかった ということで全体的に懐疑的になってしまった。
しかしながらSOMPO美術館のキュレーションも正しいのかどうか分からないので何とも言えない
かなり素朴なキャプションが目立っていた
西洋美術ではない方向のアートを見に行ったのに、結局西洋美術だったように見える
そのコラージュ感が面白かったのでは
切り絵が有名な以上面白い指摘だとは思うけども
2023.06.24(土)- 09.10(日)